囲い込みや売り止めの実情について

『囲いこみ』の実態を知れば、売主である一般人の方々はきっと許せないとでしょう。ここのところ「不動産業界の暗部」ということで、実態をご存知の方もいるようになってきました。

囲い込みとは読んで字の如しです。通常、不動産取引では、売主・買主の仲介業者は別々でもかまいません。しかし、それだと手数料は3%づつです。

そこで、手数料の両手・両取りを狙うため、他の不動産会社の客付け・紹介を、根拠なく拒絶します。これを囲い込みといっています。宅地建物取引業法では禁止しています。

囲い込みは従来型、旧思考で活動する業者に多く見られます。大手も例外なく業暦が長い会社に多く見られる行為です。

以下は、週間ダイヤモンドと言う経済紙の記事です。以下のような記述があります。不動産業界では常識でしたが、一般の消費者の方には良く知られていない実態がありました。大変よくレポートしています。

「あのデータが表に出たら不動産業界は大変なことになるだろう」

 ある不動産会社の幹部がそうささやくデータが、一部の業界関係者の間に出回り始めている。

http://diamond.jp/articles/-/69998

 

仲介の形態

  • 不動産業者の委託形態には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3形態があります。
  • 不動産の仲介業務は、売り主の仲介人と買主の仲介人は、それぞれ別々でも構いません。複数の業者で協力しながら進めることができます。
  • 専任媒介・専属専任媒介は、「売却」活動を1社のみに任せると言う委託契約です。買主の紹介する不動産業者は、どの業者でも構いません。
  • 一般媒介とは、売却活動を他の業者にも任せると言う意味です。ただし、レインズへの掲載義務がありません(後述)。

つまり「専属あるいは専任であれば、誰か別の人が売っても、必ず報酬が得られる」ことを意味します。

両手

売却の委任さえ取っておけば、売れれば必ず手数料が入ります。「それならば!」と不動産業者は考えます。

買主も自分で見つけ、その買主からも3%の媒介手数料を手にすれば合計6%の手数料となります。これを両手といいます。

そこで「売り止め」という手法を使います。

「囲い込み」と「売り止め」の関係

「売り止め」とは、不動産情報流通システムに物件は出ていますが、販売を一時中断している状態のことです。 一部の業者は、「売り止め」を意図的に行うことで、囲い込みを実施します。

欲深い業者、数字に追い立てられている業者からすると、片手の3%では、は面白くありません。本来なら両手の手数料を取れるのに、レインズに物件を公開したら、実質すべての不動産会社が買主を見つけてしまうからです。

そこで「売り止め」という手法を使います。他の業者から買主紹介の問い合わせが入っても、

「売り止めです」とか「お話が入ってます!」

実際にはまったく話がなくても、お問い合わせを断ります。

物件情報は公開していながら、他社は客付けができないという状況になります。形式的には法令を守りながら、情報を独占できます。

もちろん、本当の理由 で売り止めの場合もありますが、本当のところは外部からは誰もわかりませんので、「売り止め」という手法が通用するわけです。

レインズ

レインズとは不動産業者間の物件情報公開ネットワークです。国交省の主導で運営されています。両手を実現するために一番いいのはレインズに掲載しないことです。したがって、合法的に物件を売り止めにするには、一般媒介で受けることです。

専任媒介、千束媒介で受けるとレインズへの掲載は法令の義務ですが、一般媒介ではその義務はありません。物件を完全にコントロールすることができます。

売り止めは悪徳業者??

以上の説明をご覧になれば、こういうのは一部の悪徳業者とお思いになるかもしれません。

しかし、一部の大手などは、これを組織的に行っていますので厄介です。確かに、大手ならば販売用の宣伝量も多く、明確な証拠はありませんので、通用してしまいます。

一方でレインズを見ていると、延々と残っている物件も見かけます。売り止めを続けているわけですから、ある意味当たり前です。

投函チラシに「売り物件募集」のチラシが多い理由

ご自宅に投函される不動産チラシのうち、「売却物件募集」のチラシが多いことに気が付きましたか?

一方で、不動産チラシを出している同じ不動産業者からの、「売却物件チラシ」のほうは、それほど多くないことに気が付きませんか?投函チラシに売り物件募集が多い理由を説明します。

本当に気の毒なのは、売れない物件の売主さん

一番気の毒なのは売主さんです。売れない物件をお持ちの売主さんは、見学が来ないので不安になります。しかし後ろで売り止めをしているとも知らず、見学がこない理由を「高いから」とされているわけです。

そして、自社でお客様がつかないと売主に価格を下げるように交渉します。そしてそれでも売れないので、晒し物件になり、最後は投売り物件の完成です。

しかし自分が仕事をしている世界以外では、大手だから安心と思ってしまいます。ブランドというのは不思議なものといえます。